不登校の原因を探るのは口で言うほど簡単ではありませんね。
学校に行かなくなった子どもに直接尋ねてみても、
何も言えなかったり、「うるせぇよ!」と跳ね返されたりして、
親としては『なぜ不登校の理由を言わないのだろう?』と
思うことが多々あります。
不登校の原因を子どもが言わないのは大きく2つの理由があります。
1.理由を話すと大騒ぎになる
学校に行きたくない本当の理由を親に話すと大騒ぎになってしまう、と考えて
何も言わなくなる子どもたちがいます。
小学生のTくんは、学校の担任の先生が辛く当たるのでそれを親に話したところ、
父親が学校に怒鳴り込み、校長・教頭・担任が揃って頭を下げたという経験をしました。
かえって問題が大きくなりますし、そういう親の姿を見たくない、と感じる子どもは多いです。
また、不登校の原因が些細な理由だと思っている場合、
率直に話すのはみじめだと思う場合もあります。これは中学生や高校生に多く見られます。
逆に問題が非常に大きい場合、
親に心配を掛けたくないという大人な理由もあります。
いずれにしても、今より事態を悪化させたくない、
だからそっとしておいた方が良いのではないか、と考えるのです。
2.子ども自身も理由がわからない
こちらの方がケースとしては多いようです。
なぜ行きたくないのか、なぜ行けないのか、それはよくわからないけれど、
でも登校しようとすると頭痛がしたりお腹をこわしたりする。
症状として現れるわけです。
『理由はよくわからないけど行きたくない』なんて言ったところで親に叱られるんじゃないか、
と心配する子もいます。
子どもたちは、学校と自分の関係を理性的に考えて不登校になるわけではないですよね。
これ以上学校に行ったら身に危険が及ぶと
本能的に判断して、切羽詰まった状況を回避しています。
実際、不登校を克服した生徒や不登校だった大人に当時の話を聞いて、
「なぜ不登校になったのか?」と理由を尋ねても、
よくわからないという答えが返ってくることが多いのです。
そうすると、
「なぜ?どうして学校に行けないの??
いじめられている?先生が怖い??それとも・・・」
と質問攻めにしてしまうのは弱り目に祟り目です。
むしろ、
行かないという選択をした(選択せざるを得なかった)事実を否定せずに、
無条件にその選択を受け入れて支援していきたいですね。