家庭内暴力への対策―避けなければならない2つの落とし穴とは?

子どもの気持ちを理解する

不登校の子どもによる家庭内暴力が実際に起きた時、
親としては何とかしたい、急いで対策を取って解決しなければ、と思うものです。

しかし、ついやってしまいがちな落とし穴に注意しなければなりません。
それを2つ、挙げていきます。

世間体を気にする

子どもが暴力を振るうとき、それなりに罵声や物の壊れる音がして、隣近所にも聞こえるでしょう。
子どもが暴力を振るった、ということだけでなく、
「近所の人にどう思われるか」も気になってしまいます。

しかし、家庭内暴力へ発展した場合、
世間体や社会の常識みたいな観点は一切取り去るべきです。

そもそも、子どもが家庭内暴力を振るう原因は
『辛い気持ちをわかってほしい』というところにあります。

それを、「アナタのせいで、近所の人から白い目で見られたらどうするの!
恥ずかしい思いをするのはお母さんなんだからね!」
と言ってしまったら・・・

もちろん周りの目も気になります。
しかし、それはとりあえず一旦しまっておきましょう。
今は出すべきでない、ということですね。

物をこわしたとしても、それは大目に見てあげましょう。
モノであれば、壊れても後で買えば済む話ですが、
子どもの心は壊れたらスペアはありません。

大事なのは、物でも世間体でもなく、子ども本人の心であり、親子関係ですからね。

他人の力を借りる

子どもの暴力、特に息子の家庭内暴力はもう手に負えないと考えて、
警察に通報したり親戚を呼んだりするというのもNGです。

前述の通り、子どもはあなたにわかってほしいと思っているわけですから、
そこに他人が入ってきてアレコレするのは最悪です。

しかも、家庭内暴力を振るう息子を見て、
大抵の人は子どもを叱るのではないでしょうか?

親に向かって、
「あなたがお子さんのことを受け止めてあげないからだよ。
私のことなんて呼んでいないで、親子でよく話し合いな」
なんて言ってくれる人はほぼ皆無です。

子どもにとっては、一番わかってほしい相手が、
敵を連れてきて自分を売ってしまったと感じるでしょう。

暴力をふるわせない対策をするには

子どもの気持ちを受け止めると言っても、
自分にダメージを与えさせるということではありません。

子どもは親を傷つけたいと思っているわけではないので、
危ないと感じた時は一定の距離を取って、逃げることも大切です。

暴力を中断させれば、それ以上お互いに傷つかずに済みます。
親を傷つけた時、子どもは望んでいることと違う結果になったことを初めて悟ります。

本当は理解され受け入れてもらいたい、温めてもらいたいと思っているのに、
家庭内暴力によってかえって距離を遠くしてしまった、と感じるわけです。

したがって、出来る限り暴力に至らないように、
その場をやり過ごすことがまず大事です。

また、家庭内暴力の対象になるのは大抵の場合母親ですから、
父親がいかに妻を支えていくかを考えるべきだともいえます。
正直なところ、解決を見るまでにはそれなりの時間と努力が必要です。
一朝一夕に改善してどうにかなるというものでもありません。

子どもが平常心を取り戻して回復していくことと、
親がより愛情深く子どもを受け入れられるように成長することと、並行して進んでいきます。
つまり親が成長しなければ、子どもも回復しないわけです。

共に成長すること。
これをキーワードに対策を取っていきましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました