どうして学校に行かないのか、どうして行けなくなったのか、中々話してもらえるものでもありません。
口を閉ざし、何を考えているのかもわかりません。
しかし、不登校の子どもたちは実に深い葛藤を抱えており、そのことをわかってほしいと思っています。
多くの不登校の子どもが抱えている3つの葛藤を挙げていきます。
1.義務を果たしていない罪悪感
子どもたちは「学校に行かなければならない」と刷り込まれています。
学校に行くことは正しいことで、休むのは間違っている。
私は、学校に行くという義務を負っている。
そう思っています。
そして、学校に行けない自分は義務を果たしていないと
罪悪感を背負ったまま、部屋に閉じこもっています。
確かに日本には「義務教育」という言葉がありますが、
これは教育を提供する義務があるという意味であり、子どもが通学する義務ではありません。
そのことを教えてあげるだけで、スッと肩の荷が下り、表情が明るくなる子もいます。
2.親に迷惑をかけているという思い
自分が不登校になったことで、親に不安や悩み、辛い毎日を与えてしまったことを子どもは感じ取っています。
学校に行かないと言い出したあの日から、
家の中が一変した、暗くなってしまったことをわかっています。
そして、自分が学校に行きさえすればそれらの問題がすべて解消することも、分かっています。
ときおり、そういう申し訳ない気持ちを口にする子がいます。
ボソッと、「悪いと思ってる・・・」「オレのせいで・・・」という具合にですね。
そこで、「そうよ、アンタが学校に行きさえすれば良くなるんだから」
と言ってしまっては、事態を悪くするだけです。
『悪いと思っているなら、これこれのことをしてよ』というのは取り引きです。
寄り添うことでも助けることでもありません。
むしろ、親は努めて子どもの前では表情を変えずに、
今までと変わらずに仕事や家事、趣味を楽しむほうがよいですね。
3.人生が終わったという絶望感
『他の子だって辛いのに、学校に行けている』
『不登校になっているのは、僕に何かが欠けているのでは』
『受験に失敗したら人生終わりだ』
という思いを持っています。
特に20歳前後になると、いよいよ大人への残り時間が少なくなって来ていることを感じ取り、
ますます絶望感は深くなります。
そして、そういう思いを誰にも話せないことが辛い気持ちに拍車を掛けます。
なぜなら、それを親や先生に話したところで、
「じゃあ、学校に行きなさい」と切り返されるからです。
これらの思いを持っていることを理解してあげたいものです。
子どもたちは不登校を解決するための具体的なアドバイスより、
共感してくれる人、寄り添ってくれる人を必要としているですね。