不登校の子どもを持つ親の方にとって、特に厳しい時期が2つあります。
1つは不登校が始まった時。
もう一つは、思っていたより不登校が長期化し、進学や就職ができないなど具体的な結果が出た時です。
今回は前者、つまり子どもの不登校が始まった時に慌てずに対応するための2つのポイントをお伝えします。
1.既に頑張り尽くし、結果として不登校になったと受け止める
何度か「不登校が始まった」と表現しましたが、現実には登校が止まったというほうが正しいです。
親に訴えるずっと前から、辛かったのでしょう。
でも学校に行かなきゃいけない、自分に悪いところがあるんじゃないか、
そういう葛藤を抱えて何日も何日も悩み、ストレスを感じ、それでも頑張って学校に行っていました。
それがついに、頑張り切れなくなって、不登校になってしまったのです。
『もうすでに、この子は頑張り尽したんだ』
不登校になり始めた時、そういう理解を示してあげてください。
甘え始めた、サボり始めたのではなく、頑張れなくなったのです。
ずーっと走り続けて身も心もボロボロになったマラソンランナーのようです。
ついに、走れなくなって、倒れ込みました。
それが、不登校であるという状態です。
無精で走らないのではなく、疲れ切って走れないのです。
そう考えれば、「頑張れば学校に行けるだろう」「何か励ましたらいいのでは??」といった発想は出てきませんし、
まして不登校が甘えているというわけではないですね。
その子どもの状況を受け止めてあげることが大切です。
2.人としての人生がスタートしたと考える
考えてみれば、人はみな異なる人生を送ります。
子ども時代こそ同じ場所に行き、同じ時間に同じことをしますが、大人になればそうではありません。
終身雇用が保証されなくなった日本において、お父さんたちだって平日に家に居たり、
土日祝日に働いたりということも一般的になってきました。
学校に行けないというのは一つの課題ではあるものの、
『他人とは違う生き方をし始めた』と捉えることができます。
例えば大学生は、卒業して就職する人もいれば大学院に進む人、留年する人、フリーターになる人、様々です。
安定や将来の心配といった要素はあるものの、それなりに認められる社会ですし、
誰かと同じ生き方を強いられる筋合いはありません。
そうすると、まだ小学生・中学生であったとしても、
必ずしも「周りと同じ型に押し込められた生活」ができないことが
とんでもないこと、とは言えませんよね。
誰にでも訪れる「他人とは違う生き方をし始める」というタイミングが、
他の子たちより少し早くやってきたにすぎません。
まさに、「不登校が大人としての人生の出発点」といえるのではないでしょうか?
不登校であるとは?
まとめます。
不登校は、失敗・甘え・落伍(らくご)ではありません。
これまで精一杯頑張り切って、もう走れなくなった状態であり、
「他人とは異なる生き方をする」という、自立の第一歩です。
まずは父親・母親として、それを認めてあげたいですね。